大阪大玉大満足/あほや長吉長原店
昨日は大阪府の平野区まで用事があったので遠出をしていた。外せない用事だったので、半ば緊張していたのだが、「ここまで来て緊張もへったくれもないな」と思い、会場となっている事務所までの道のりをローソンで買った珈琲を飲みながら歩く。うーん、なんとものどかだ。
実はその時私は朝ごはんも昼ごはんも食べておらず、時間は13時を回っていたため、お腹をものすごく減らしていた。とにかく腹ペコだった。しかし歩いている通りは栄養食品を謳うビスケットを売っている薬局か呑み屋しかない。事務所の近くには大阪王があるが用事を済ませる前に餃子はちょっと……と思っていた、その時に。
まさに地獄に仏というもの!あの大玉たこ焼きで有名なあほやがあるではないか!
さっそく10個入りを頼む。ランチとして550円のたこ焼きはバランスがいいのか悪いのかはさておき、とにかくここで迷ってはいけないと思った。味付けはソースマヨ一味でお願いします。
焼きたてが入った袋を手渡され、店先の椅子に腰掛け封を開ける。
わぁ、とっても大きいでござるぅ……!こんなたこ焼き久しぶりでござるぅ……!顔がほころぶのが分かる。熱々の大玉たこ焼きをふーふーしながらぱくり。あつつ、生地がトロトロして、ソースが濃くて、マヨネーズがまろやかで、一味が辛くて、最後にぷりぷりしたタコが歯に当たってくる。口の中が火傷しそうになる、そんな中で、一心不乱に息を吹きかけながら食べる。大阪の人はとっくの昔にソースとマヨネーズと一味唐辛子のマリアージュの魅力を知っていたわけだ。私は約二年間大阪に住んでいたがそんなことにも気がつかなかった。なんてこった。
テレビでは大阪のたこ焼き屋は様々あると言っていた。私はその中でもあほやが好きだ。天六店でよく食べていた。ノーマルのソース味しか食べていなかったのがもったいない。
これからも平野区のあほやの前を通りすがる用事はある。ついでに様々な味を試してみたいと思う。夫は大阪の人にとってたこ焼きはおやつと言っていたが、私にとっては中毒性の高い麻薬のようなものだ。
三宮呑み/ジャズ喫茶・木馬
いい感じに酔った私たちは、ふと「木馬に行こう」とどちらともなく提案をした。「木馬」それは、私の夫が若い頃に通っていたジャズ喫茶である。
初めて私が来たときには、壁いっぱいに有名人がサインを残していたのを見て驚きを隠せなかった。私の大好きな小川洋子女史もいらしていたなんて。
さて、店内に入ると、何やらスパイシーな香りが漂ってくる。誰かがこの店のカレーを食したに違いない。ここのカレーはベジタブル・カレー(800円)とハーブチキンの野菜カレー(880円)がある。どちらも私は食べたことはないが、いつかは……と思っている。
ピアノの前に据え付けられた半月型の禁煙席に通された。ここならフードを頼んでもかさばらないだろう。
さあ、何を頼もうか、というところで私は迷ってしまう。ここではワインがデカンタで赤・白ともに500ml1,600円で呑める。一方、ケーキセットは750~780円で珈琲・カフェオレ・紅茶付きを選んで頼める。さらに酔いに走るか、それともここで立ち止まるか……。
結局、赤ワインのデカンタを二人でシェアすることを選択した。つまり、このブログの原文は呑みながら書いていた、というわけだ。
夫は「いい文章が書けましたか?」と、まるでどこぞの編集者のような口調で聞いてくる。途中ながらも書いていたものを見てもらい感想やら直しやらを請うと、「こんなに呑んだっけ?」「この書き方は僕は好きじゃないな、翻訳したみたいだ」と返ってくる。私は文学部出身の彼の意見と自身の感性を信じて文章を直す。
それから「なにかつまもう」とポテトチップス(300円)を頼み、ワインをぐいっと飲み干し、グラスに注ぎ込む。そして書く。
店内にはジャズが流れ、それに負けずとばかりにそれぞれのテーブルについている客が、思い思いの会話を楽しんでいる。ウエイトレスは注文どおりに珈琲やフードを出し、時には客と会話したりと忙しそうだ。そんな縁の下の力持ちのおかげで、私たちはゆったりとした時間を過ごせているのだけれど。
「貴方は何杯呑んだ?私はこれで三杯目だけど」「わかんない。同じくらいじゃない?」そんな酔いどれの会話がサラリーマンの笑い声にかき消される。私は会話を諦め、ポテトチップスをつまみ口に放り込み、咀嚼しながら塩味を味わい、それから赤ワインの渋みを恋しがり、そっとグラスを傾けた。
新しい客、男女二人連れが入ってきた。カウンター席へと通されるのを見ながら、夫は「今日は満員御礼だねぇ」と呟いた。そして彼は空になったデカンタニワトリに話しかけていたので、私は空になった彼のグラスと半分中身が残った自分のグラスを交換する。
さて、今日はここでは終わりはしないようだ。私は次の日の予定を気にしながら、夫の友人が経営しているバーへと足を運ぶ覚悟を決めた。
それからどうなったのかというと、バーですっかり酔っ払った夫が家でいびきをかき続ける中、私はブログをせっせと書いていたのでした。
三宮呑み/天一軒・GONTA2
今日は夫が「呑みたい」といったから、三宮の方まで足を運んだ。まず訪れたのは「天一軒」。レバニラ炒めと硬い焼鶏モモと餃子がビールによく合うこと。
軽く呑んで、「次にどこ行きたい?」と聞かれたので、私は「GONTA2」と答えた。地下にある立ち飲みのお店で、私はそこの変り種メニューを楽しむのが好きなのである。
地下に降りた夫が、「今日は空いてるぞ」と言ったので、いつもとは違う向かって左側のカウンターに滑り込んだ。まずは190円の生ビールで乾杯だ。
さて、何を頼もうか……と思いメニューを見てみると、この間まであった甘鯛のフィッシュアンドチップスに代わり、カサゴのフィッシュアンドチップス(490円)が出ているではないか!ひとまずそれと、まぐろとアボガドの岩のり合え(390円)と、肉豆腐(400円)を頼んでみた。甘鯛のフィッシュアンドチップスは肉質が甘くてまろやかだったが、カサゴはどんな味だろうか……と想像していたら、まぐろとアボガドの岩のり合えが出てきた。
まずはまぐろに岩のりを合わせて食べてみる。うん、想像したとおりの味だ。岩のりの塩味と香りがまぐろに合っている。次に、アボガドと岩のりを合わせて食べてみることに。うん?と私は思った。意外と合うじゃないか?以前アボガドの刺身を食べたことがあるがそれと同じ理屈か?岩のりの塩味と風味がアボガドの甘みを引き立てている。思わずビールをクーッと飲む。
次に出てきたのはカサゴのフィッシュアンドチップスだ。
さて、どんな味なのだろう。香りはスパイシーなのだが……とひょいひょいとまわりのポテトを食べながら思い、まずはタルタルソースをつけずにいただく。なんとしっとりとしてるようでさっぱりとした肉質なのだろう!これは甘鯛には負けていない。タルタルソースにつけて食べるとさらにそれが際立つ。これもまたビールに合うのだ。
続いて出てきたのが肉豆腐。これがたまらない。人気がありすぎて売り切れになるほどなのだ。
なんといっても煮汁が染み込んだ肉と豆腐!それに一味をかけて食べるのである。味が濃い。濃いがゆえにこれもまたビールに合うのである。こればかりは来る度に頼み、ない日はがくりとしてしまうのだ。
じっくり食べながら呑んでいたらビールがなくなってしまった。そこで私はサングリアの白(350円)を頼んだ。
ここのサングリアの白はやや甘口で、グレープフルーツとパイナップルとオレンジの香りと、甘酸っぱくふくよかな味わいが売りである。ちなみにサングリアの赤の方は、ライトボディでオレンジとカシスの香りと、フルーティでさわやかな味わいが売りだ。
いい具合に酔ってきた。今からどこへ行こうかと悩む間もなく、私たちは次の店に向かうのであった。
近所のスーパーにて/プリキュアチョコに想いをはせる
家の近くのスーパーには、まだHUGっと!プリキュア仕様のプリキュアチョコが大量に売ってある。私はまだこの作品の最終回を観ていない。HDDに保存したきり、今も観れずにいる。
隣の棚を見てみると、スタートゥインクルプリキュア仕様のプリキュアチョコが置いてあった。こちらの方は在庫が少なかった。もうHUGっと!の方を買っていく人は少なくなってしまったのかと思うと、今までプリキュア関連のお菓子を買ったことのない私でも物悲しくなってしまう。
二つとも買ってしまった。私はHUGっと!プリキュアではキュアエールが大好物……じゃなくて大好きだ。いつも元気がない私に元気をくれるから好きだ。彼女にしたい。
などと考えていたら、夫がチョコレートを半分くらい食べてしまっていた。しんみりとなりながら食べたかったのに、ムードが台無しである。
さて、スタートゥインクルプリキュアは、まだ観ていない。HDDに録画したままである。チョコは買ってきたものの、いつ食べようかまだ考え中である。
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早起きした朝は/一杯の珈琲とともに
結局のところ、14日の間にピアサポーターの報告書を書き上げることはできなかった。現地で取ったメモを眺めつつ、どう書いたものかとため息をついていたのであった。そうしているうちに夕食の時間になり、寝る時間になり……起きたのは今日の4時半。
若干眠いが、報告書を書いてみようか。そんな気になり、珈琲を淹れた。私はあの時患者の方とどんな話をしていただろう?どんなことを聞かれただろう?他のピアサポーターの方は懇談会を終えて何を感じただろう?そんなことをできる限り思い出しながらタイプしていく。珈琲の香りがいい起爆剤になったのか、次々とその時のシーンを思い出せる。
そして何とか、初めての懇談会についての報告書を書き上げることができた。省略させなければならないところがいくつもできてしまったが、以前「できるだけ一枚の報告書でまとめてください」と言われていたので、要点を押さえたものにした。終わったと思ったら欠伸が出てきてしまった。保存をしてから目を閉じる。
気がついたら夫に肩を揺さぶられていた。珈琲は少しだけ冷えていたからそんなに時間は経っていないはず。うとうとしていたのかと思いつつ、今日は病院の通院日だということと、図書館への本の返却日だということを思い出し、急いで準備をするのであった。
私の仕事と珈琲と/神戸ポートアイランド・ひつじ珈琲店
13日の水曜日に、とある病院へ、ピアサポーターとして入院患者の懇談会に参加してきた。ピアサポーターとは特定の病気を経験し回復した後に、同じ病気で悩んでいる方々のサポートをする役割を担う人々のことで、私は大阪に住んでいた頃から活動を行っている。
そもそも懇談会に参加するのはこれが初めてで、なかなか患者の方と話をすることがうまくできなかった。イメージトレーニングはしていたのだけれど、思ったよりも私は話題の引き出しが少ないらしい。そこが課題となってくるだろう。
そして今日、どう報告書を書こうか……(報告書を作成し提出するまでがピアサポーターの仕事なのである)そんなことを考えながら、私はいつものようにひつじ珈琲店でモーニングを食べることにした。ここのモーニングはAとBとあり、Aはまだ注文したことがないのでよく分からないのだけれど、パンとジャムとゆでたまご、そして珈琲か紅茶がついてくるものらしい。私がいつも頼んでいるのはBの方で、様々なトーストやサンドイッチの中から一種類選び、それに珈琲か紅茶がついてくる。どちらも400円(税込)。前にも書いたが、ここの珈琲は380円(税込)であるから、とてもリーズナブルである。しかもサイフォンで淹れているから酸味を素直に楽しむことができる。
私はここでモーニングBのチーズトーストと珈琲を頼むことが多いが、今日はなぜか、「モーニングBの」まで言ったところで「チーズですか?」と聞かれた。ああ、と私は思った。少なくとも私はこのお店では認知されているのだな、と。
チーズトーストはふんわりと少ししょっぱく旨い。私は珈琲はブラックで飲んでいるので淹れたてのものをフーフーとしながら飲んでトーストを流し込む。ふと、知り合って間もない、ピアサポーター志望の女性のことを思い出した。確か、入院経験がなくてどう答えたらいいか分からなかったと言っていたような。
どうしてもそういう「差」ができてしまうものなのだな、と私は思った。うまく話題を引き出せなかった自分、経験がなくてどうしたらいいのか分からなかった女性。慣れているピアサポーターは様々な方向から話しかけてみたと言っていた。私もそのスキルを身につけたいと思っているが、なかなかうまくいかないだろう。そう思いつつ、ぬるくなった珈琲を飲み干した。
勘定を済ませる時に、「領収書ですね」とまた尋ねられた。顔なじみになるくらい何かをしてみるのが大事なのかもしれない、と私は思いながら「ごちそうさまでした」と言って店を後にした。
朝早く起きて/一杯の珈琲を飲みながら
昨日は11時半には床についていたと思う。しばらくツイッターをスマホで眺めていたが、何も呟くこともないし、「おやすみ」という気もなくなってしまいそのまま眠ってしまった。今日起きたのはきっかり5時。夫が起きるのは6時半だから私もそれくらいまで寝てしまっても良かったのだが、目が何故か冴えてしまった。せっかくだからと、私は珈琲を落として飲むことにした。
昨日も触れたけれど、私の夫はブログを書いている。それをいちからよくよく読んでみることにした。そこで私は彼の真意を決定付ける文章を見つけることになる。
しかし、およそ他のウェブログと異なっているのは、それが備忘録というよりむしろ忘却を前提としたものであるということだ。
彼は加齢に従って、物事を覚えおくことの困難さを感じているのかもしれない。けれど、「忘却」を前提ともなると、思い出にも残さないつもりなのだろうか、と、私は戸惑う。
すべては過ぎ去ってしまった。また幾たびかその一部に会うこともあるかもしれないが、ほとんどは失われて、もはや還ることもないのだ
思えば、と、珈琲をすすりながら思ってみる。私と彼が人生の航路を共にしてもう13年になる。子供ができていれば中学生になるかならないかだろう、それくらいの時間を共に過ごしている。その中で私は彼に様々な場所に連れて行ってもらった。私の気性のせいで楽しめなかった場所もあれば、私の好みが合致して楽しめた場所もあった。もちろん彼が好んで行っていた場所も私は好きになっていたし通いつめていた。東京都葛飾区の立石商店街なんてその一例だろう。
私は彼はどこか寂れた、しかしにぎやかな場所が好きなんだと思っている。そういった場所が、再開発でどんどんなくなっていくという。なんと悲しいことだろうか。新しい記憶で古い記憶が消されていってしまう。それはいいことなのだろうか?
常連客のタバコのヤニと材料を焼くときに出る脂が染み付いた壁、真っ黒になった換気扇。並んで座らされる一見不便そうな客の配置、その中で一時的に生まれる人情がこもった交流……。私はいつか忘れてしまうのだろうか。あの店がなくなってしまったら、私は忘れてしまうのであろうか。