魂の旅、食と誰かと、時々珈琲。

人生は旅。食と珈琲を好んでいる一介の主婦が日々を綴ります。

私の仕事と珈琲と/神戸ポートアイランド・ひつじ珈琲店

 13日の水曜日に、とある病院へ、ピアサポーターとして入院患者の懇談会に参加してきた。ピアサポーターとは特定の病気を経験し回復した後に、同じ病気で悩んでいる方々のサポートをする役割を担う人々のことで、私は大阪に住んでいた頃から活動を行っている。
 そもそも懇談会に参加するのはこれが初めてで、なかなか患者の方と話をすることがうまくできなかった。イメージトレーニングはしていたのだけれど、思ったよりも私は話題の引き出しが少ないらしい。そこが課題となってくるだろう。
 そして今日、どう報告書を書こうか……(報告書を作成し提出するまでがピアサポーターの仕事なのである)そんなことを考えながら、私はいつものようにひつじ珈琲店でモーニングを食べることにした。ここのモーニングはAとBとあり、Aはまだ注文したことがないのでよく分からないのだけれど、パンとジャムとゆでたまご、そして珈琲か紅茶がついてくるものらしい。私がいつも頼んでいるのはBの方で、様々なトーストやサンドイッチの中から一種類選び、それに珈琲か紅茶がついてくる。どちらも400円(税込)。前にも書いたが、ここの珈琲は380円(税込)であるから、とてもリーズナブルである。しかもサイフォンで淹れているから酸味を素直に楽しむことができる。
 私はここでモーニングBのチーズトーストと珈琲を頼むことが多いが、今日はなぜか、「モーニングBの」まで言ったところで「チーズですか?」と聞かれた。ああ、と私は思った。少なくとも私はこのお店では認知されているのだな、と。
 チーズトーストはふんわりと少ししょっぱく旨い。私は珈琲はブラックで飲んでいるので淹れたてのものをフーフーとしながら飲んでトーストを流し込む。ふと、知り合って間もない、ピアサポーター志望の女性のことを思い出した。確か、入院経験がなくてどう答えたらいいか分からなかったと言っていたような。
 どうしてもそういう「差」ができてしまうものなのだな、と私は思った。うまく話題を引き出せなかった自分、経験がなくてどうしたらいいのか分からなかった女性。慣れているピアサポーターは様々な方向から話しかけてみたと言っていた。私もそのスキルを身につけたいと思っているが、なかなかうまくいかないだろう。そう思いつつ、ぬるくなった珈琲を飲み干した。
 勘定を済ませる時に、「領収書ですね」とまた尋ねられた。顔なじみになるくらい何かをしてみるのが大事なのかもしれない、と私は思いながら「ごちそうさまでした」と言って店を後にした。