魂の旅、食と誰かと、時々珈琲。

人生は旅。食と珈琲を好んでいる一介の主婦が日々を綴ります。

満腹、すなわちこれ/鍋で炊いた麦飯と辛子明太子

 今日の私の最初のはっきりした記憶は、ゲーム実況を見ていたことである。ゲーム実況は見ていて飽きない。私がゲームプレイに集中できない性格だからだろうか。

 その後病院に行っていた夫と近所の珈琲店(豆も販売しているお店)で待ち合わせし、「一年中飲んでも飽きない」が売りの珈琲を飲んだ。酸味と苦味のバランスがよく、また飲んでいる途中で味わいが変わっていくような不思議な感覚が味わえる1杯であった。

 その後、三宮まで出て味噌ダレで餃子を食べながらビールを飲み、600円のてんぷらうどんを食べて昼ご飯とした。てんぷらうどんのてんぷらは、巨大な揚げ玉みたいなものではなく、かぼちゃやいも、2尾の海老であった。それとかまぼこが2切れ。ちなみに夫は牛肉をかき玉でとじた「こってりうどん」とかやくごはんを食べていた。

 腹がはちきれんばかりに夫婦そろって満足し、食材などを見に行くと、ぼってりとした辛子明太子が売ってあった。手頃な値段だったので即買いし、半ばうとうとしながらポートライナーに揺られて帰った。

 家に帰ると、夫は録っていた吉本新喜劇を見始めた。私はハワイコナを淹れ、夫の分には砂糖2本と牛乳を足してのんびりと一緒に見た。笑いはクスリである。

 その後、掃除用品と割引されていた白和え、鮭の切り身などを買いにいき、帰ってからさあ夕飯の支度だ、と意気込んだ。米と麦はといで水に漬けてあるからざるにさらし、片手鍋に入れて水を入れた。2合分炊くから水は460mlくらいでいいだろう。火をつけて中火にして沸騰するまで待つ。待つ間に小松菜と椎茸を切る。鍋が沸騰したのでそれから2分、タイマーを仕掛けてそのまま火にかける。横で豚肉を炒め、少しだけしょうゆを足して下味をつける。そうこうしているうちに2分経過したので今度は3分タイマーを仕掛けて少し火を弱める。肉は皿によけて、小松菜の茎の部分と椎茸を炒め、火が通ったら小松菜の葉の部分を加える。タイマーが鳴った。今度は7分、弱火にかける。炒め物の味付けはオイスターソース・みりん・しょうゆそれぞれ大さじ1。

 炒め物を皿に盛り付け、やかんに水を入れ火にかける。夫はきゅうりを切ってちくわに詰めていた。片手鍋の様子を見ながら、私は生味噌タイプのしじみの味噌汁のもとを器に出し、乾燥わかめをひとつまみ加える。そしてお茶の準備をしているうちにタイマーがなったので、いったん片手鍋の方の火を強火にし、「ジジジジ……」と鳴るのを確認してから火を止め、蒸らす。やかんのお湯が沸騰したので、味噌汁の器にお湯を注ぎ、湯飲みにお湯を注いで、湯飲みから急須にお湯を入れた。味噌汁の味噌をかき混ぜ、お茶を蒸らし、夕飯の準備をする。

 そして、食卓の上には、いつもより色つやのよく白い麦飯と、わかめがたっぷり入った即席の味噌汁と、でっぷりとした辛子明太子と、ほうれん草とこんにゃくの白和えと、小松菜と椎茸と豚肉の炒め物、きゅうりの詰めてあるちくわ、そして山口県産の温かい小野茶が並べられた。

 きちんと「いただきます」をして、私たちはごはんにありついた。時々あがる「飯がうまい」の声、「うむ、うん」の声。譲り合いになる辛子明太子。無言ですすられる味噌汁に、「おいしい」と褒められる炒め物。

 結局私たち二人ともご飯をお代わりして、鍋で炊いた麦飯はあっという間になくなってしまった。満足だが、少し体重計が怖くなってしまった。そう思いながら私は小野茶をすする。