いろいろ書いてみようかな?

何の変哲もない一介の主婦が、日頃気になっている事とか思っている事とかを書いていきます。

人とアロマの歴史その3~アロマテラピー~

■東洋の伝承医学
 アロマテラピーは、東洋の伝統医学からも影響を受けたと考えられています。

□インド・アーユルベーダ医学
 アロマテラピーに大きな影響を与えたアーユルベーダは、ユナニ医学(ギリシャ・アラビア医学)・中国医学と共に世界三大伝統医学のひとつですが、医学のみならず、宇宙観・自然観をも含む哲学であり、具体的な生活術をも含む“生の科学”です。紀元前1200~1000年ごろのインドで成立した神々への賛歌集『リグ・ベーダ』にその源流が見られます。

 しかし、アーユルベーダは、伝承によって伝えられてきたもののため、その成立そのものは更に古く、3000年以上の歴史を持つと考えられていますが、その起源は定かではありません。

□中国の本草
 中国では、薬物に書かれた本を“本草書”といい、西洋の『マテリア・メディカ』と並ぶ東洋の薬草学書としては『神農本草経』が有名です。『神農本草経』は、2~3世紀の漢の時代にまとめられ、後に5世紀末の陶弘景によって再編纂されました。730種の薬石が記された『神農本草経集注』という形で伝えられ、今日の中医学や漢方の基礎となっています。
 ちなみに、“神農”とは、中国の神話に出てくる農業神でしたが、漢の時代に中国太古の伝説上の皇女、炎帝とされるようになったといわれています。

■植物療法の発達
 植物を用いた療法が発展していき、アロマテラピーの原型ができあがっていきました。

精油製造の技術的発展
 古代より、香りは薫香や浸剤の形で用いられてきました。新約聖書に出てくる「ナルドの香油」も、チベットにあるスパイク・ナルドという植物を油に浸透させたものであったろうと考えられています。
 そうした中、アラブ人のイブン・シーナは1000年ごろ精油蒸留法(水蒸気蒸留法)を発明しました。錬金術の中で完成されたとのことです。古代ギリシャ・ヘレニズム文化にその起源をさかのぼる錬金術は、その後ヨーロッパやアラビアで発展していきました。キリスト教の世界では古代ギリシャの文化を異端としていた歴史があり、錬金術も「黒魔術」として否定や誤解をされがちでした。しかし、イスラム教の世界のアラブでは、現代「化学」の前駆的な役割を果たし、大きな発展を遂げたのです。

□イブン・シーナとは
 イブン・シーナ(980~1037)はラテン名でアビセンナ(Avicenna)、アビケンナ、アウィケンナとも呼ばれています。医学・哲学・自然科学に万能で、幼少のころからその才能を発揮し、アリストテレス哲学を習得後には、「現存するものはすべて必然的である」という、独自の存在論を展開しています。医学者としても名高く、彼が著した『医学典範(カノン)』は、17世紀ごろまで西欧の医科大学の教科書に使われていたほどの古典です。彼が確立したといわれている精油の製造法と医学への応用は、アロマテラピーの原型といってもよいでしょう。

□中世僧院医学
 中世ヨーロッパにおける医学は、協会や修道院を中心に行われていた“僧院医学”と呼ばれる薬草中心のものでした。しかし、中世も半ばを過ぎ都市が現れ始めると、次第に専門の医師が必要とされるようになりました。イタリアのナポリから60kmほど南の港町・サレルノは、ギリシャ・ローマ・アラビア・ユダヤという4つの文化が交差してさまざまな知識があふれ、10世紀末には医学を教える施設が設けられるなど、“ヒポクラテスの町”と呼ばれる医学の盛んな町でした。

 ここで生まれた『サレルノ養生訓』はヨーロッパ全土へ広がり、ヨーロッパ最古の医学校・サレルノ医科大学のカリキュラムは多くの大学の範になりました。また、1140年にシチリア王によって「医療を行うものは、試験を受けて合格することを要する」という意味の布告がなされ、医師の国家免許ともいえる制度が始まりました。

□東西文化の交流
 エルサレムキリスト教ユダヤ教イスラム教にとっての共通の聖地です。1070年、このエルサレムイスラム教徒によって占領され、更にイスラム教徒によるビザンチン帝国の侵犯があると、ローマ教皇エルサレムの聖墳墓(キリストの埋葬された墓)の奪還を最終目的として、十字軍を派遣しました。

 1095年の宣言から1291年のアッカー陥落まで、約200年にわたる十字軍遠征の始まりですが、エルサレム奪還はかなわず、占領地を失い、結局十字軍は歴史的には失敗とされました。しかし、この間に多くの人が地中海の地域の東西を行き交い、西欧のキリスト教徒たちが東方の文化に触れ、後のルネサンス文化への萌芽となったことは事実です。その意義は大きく、この交流の中で東西のハーブや薬草、アラビアの医学や水蒸気蒸留法などがヨーロッパに伝えられ、広められました。

 

参考文献

・ひとりで学べるアロマテラピー検定試験1級2級テキスト&問題集
  /村上志緒・門間充衣子監修・ナツメ社

 

 

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